- アオリイカの交接跡について
- アオリイカの交接腕なるもの
- アオリイカの精子は要注意なこと
どうもドミニクです。
アオリイカを釣り上げたときや捌いた際に、口の周りに何やら不思議な跡やアニサキスのようなものを見つけたことはありませんか?
実はそれ、「交接跡」と呼ばれるもので、オスがメスに精子の入った「性莢(せいきょう)」を手渡した痕跡なのです。
この交接跡は春先にメスの個体で見られますが、性莢や精子には注意する点もあります。
この記事では、アオリイカの交接跡について紹介し、食べる際の注意点についても触れます。春のアオリイカを釣った際は交接跡を探してみましょう!
山陰釣りブログ編集室
山陰のアングラー/エンジョイ勢。山陰の釣り場情報や開幕状況、主にルアーフィッシングに関する情報を発信しています。たまに山陰ユーチューバーさんのチャンネルにサブキャラで登場✨
アオリイカの交接跡とは?アニサキスと見間違う!
アオリイカの交接跡とは
- 交接跡とは、メスに見られる交接痕のことで、メスの口球付近に性莢の付着が見られること。
アオリイカの交接跡とは、オスがメスに精子の入った性莢(せいきょう)を渡した跡のことです。
オスとメスが脚をからませてくっついているように見えるのが交接の瞬間で、オスがメスの口球付近に性莢(せいきょう)を付けます。
口球とはカラストンビとも呼ばれる部分です。
春にアオリイカのメスを釣りあげたら、口を見ると交接跡を見つけられる場合があります。メスが産卵を始めると、体にくっついた性莢内の精子と受精します。
アニサキス?アオリイカのオスの卵?
- 口球周辺に見られるアニサキスのようなものはオスの精子であることが多い
交接跡が見られる部分、つまり性莢が付いた部分で、精子が飛び出している場合があります。
この精子がアニサキスに似ていて、アニサキスに寄生されているように見えます。実際はアニサキスに寄生されているわけではありません。
また、交接跡についているものが卵のように見えるので「オスの卵」と勘違いされることもありますが、これは精子が入ったカプセル状の容器で「性莢」と呼ばれるものです。
イカの精子は食べるな危険
イカの精子は性莢の中に格納されていて、生きていると性莢から出てきた際に動くんですよね。しばらくすると動かなくなるのですが。
この生きた精子を生食するのが危険で、食べると口の中に刺さります。刺さった精子は自身では取ることが難しく、病院で取ってもらうことになるとのこと。
加熱したら食べられるとの記述も見ましたが、美味しくはないとのことです。もし、口球周辺に交接跡があれば、下処理で取り除いたほうがよさそうです。
以下は、イカの精子の生食について注意喚起の動画です。
アオリイカの交接跡が釣果に与える影響
交接跡はエギングの釣果に影響するか
これは釣りをする人ならギモンに思いますよね。
交接跡があるアオリイカが釣れたときに、何か釣果に影響するようなことが考えられるのかなと思い調べてみましたが、有力そうな情報はありませんでした。
ひとつだけ「アオリイカに交接跡があれば近くにオスがいると思われるから、さらに釣れる可能性がある」といったポストを見つけましたが、これに関連するようなポストはありませんでした。
何かと意味づけをしようとしてしまいますが、わからないことも多いですね。
アオリイカの交接行動と生態
アオリイカの交接
アオリイカの交接は、オスが交接腕を用いてメスの体内に性莢を渡すことで行われます。そして、メスが産卵する際に受精するのだそうです。
魚と同様に産み付けられた卵に精子をかける方法なのかと思っていましたが、実は違っていて、オスがメスに精子を手渡しする交接という方法で行われるんですね。
オスの交接腕の役割と見分け方
交接はオスがメスに性莢を手渡すことですが、その性莢を手渡す手のことを「交接腕」といいます。
交接腕は、アオリイカでは第Ⅳ腕にあたり、先端に吸盤がなくザラザラした感触がある腕のことです。この腕は、他の腕と比較して形状が異なるため、オスメスの見分けにも利用できます。
アオリイカの産卵後とその一生
アオリイカは産卵後どうなるのか?
- アオリイカは最後の産卵後に寿命を迎え、越冬しない。
アオリイカは産卵を複数回行いますが、最後は体力を消耗し、寿命を迎えます。
産卵はシーズンを通して10回程度行われ、トータル8000個ほどの卵を生むと言われています。水温15℃以上が産卵に適した温度であり、これより低いと産卵しません。
したがって、春先に水温が15℃以上に上がるのが早ければ産卵も早まり、シーズンを通して産卵回数も十分に行われます。
しかし、水温の立ち上がりが遅く15℃以上になる時期が遅れると、産卵回数が減ってしまいます。
最終的に産卵を終えると、冬を超えずに寿命を迎えます。
アオリイカの寿命は1年
アオリイカは春から夏にかけて産卵しますが、産卵後は越冬せずに寿命を迎えます。
アオリイカの寿命は1年なのです。
どんなに大きいサイズの個体でも生まれてから死ぬまでの期間は1年・・・3キロ、4キロのアオリイカもいますが、1年でそんなに成長するなんて信じられませんよね。
そのように大きく成長するアオリイカは、早生まれの個体群だという研究データもあり、生まれる時期とサイズには関係があるのだそうです。
逆に、春に比較的小さいサイズのイカが釣れることがありますが、それも立派な大人のイカです。遅生まれの個体群はあまり成長しないそうです。
まとめ|【アニサキス?】実はアオリイカの交接跡だった!春のエギングでよく見るやつ
この記事では「アオリイカの交接跡とは何か」や交接について紹介する記事でした。
実際に見つけると、アニサキスのように見えて驚いてしまうこともありますが、交接によってつけられた性莢や精子であることが多いです。
また、アオリイカは寿命が短く1年しか生きられないということも知っておきたいことですね。
- 交接跡とは、オスがメスの口球付近に精子の入った性莢を渡した跡である。
- 性莢から飛び出た精子はアニサキスに似ているため誤解されることがある。
- オスの交接腕は第Ⅳ腕にあたり、他の腕と異なり、先端は吸盤がなくザラザラした感触で見分けがつく。
- アオリイカは複数回産卵し、寿命は1年。産卵を終えた後、越冬せずに寿命を迎える。